2021年01月30日
桜が咲いていなくても【想い出アミーゴインサイドストーリー㉚】
舞台は滋賀県、私はとあるお城を背景に記念撮影する現場で働いていました。

それは週末のお昼ごろだったでしょうか。天気も良く、たくさんのお客様にご参加いただいておりました。
目の回るような忙しさでしたが、私は少しでも良い写真が撮影できるように、そしてお客様に少しでも楽しんでいただけるように、大きな声で、笑顔で、ハイテンションで営業していました。
そんな私の姿を、遠くからじっと見ているお客様がいらっしゃいました。60代くらいの白髪の男性です。彼は少しの間私の仕事ぶりを眺めていたようでしたが、やがて私の元へ駆け寄ってこられました。
「君! 君!」
白髪の男性が私に声をかけました。
私はお客様に体を向け「どうしましたか?」と尋ねます。
「あの時の君だよね! 覚えてるかな? 奈良県で、数年前に桜と一緒に撮ってくれたじゃない。桜は咲いていなかったけどね(笑)。あの時はきれいに撮ってくれてありがとうね。今日もすごく頑張って撮影していたから、君だってすぐに気づいたよ!」
お客様の話を聞いて、私はすぐにピンときました。数年前、私は奈良県の桜の名所でアミーゴとして働いていましたが、その時に撮影させていただいたお客様だったのです。
私のことを覚えていてくださったことが嬉しくて、思わずお客様と握手してしまうほどでした。
お客様は懐かしそうに続けます。
「あの時は花見のツアーで遊びに行ったんだが、現地に着いたらちっとも咲いてないんだもんなぁ、桜の名所だっていうのにね、まいったよ(笑)」
私も思い出しました。お客様の仰る通り、その現場はまだ桜が咲いていない時期からスタートしたため、つぼみばかりの桜の木を背景に撮影した期間がありました。咲いていない桜にガッカリするお客様も多い中、私たちスタッフはそんな状況でも少しでも良い写真を撮りたいと、明るく元気にハイテンションに、お客様の笑顔を引き出そうと一生懸命頑張ったものでした。
お客様はそのことも覚えていてくださいました。
「桜は咲いてなかったけどね、君がそれでも精一杯頑張って撮影してくれたから、私にとってはとても楽しい、大切な想い出になったんだよ。ありがとう。今日の撮影もお兄さんにお願いしたいんだけど、いいかな?」
「もちろんです!」
その後、お城を背景にしての記念撮影にご参加いただきました。写真もご購入いただき、「今回もありがとう」と笑顔でお帰りいただくことができました。

私の内心は感動で溢れていました。
こんなに嬉しいことはありません。数年前に一度会っただけのお客様が私の頑張る姿を見て、すぐに私だと気づいてくださったこと。
何より、桜の咲いていない桜の名所、花をつけていない桜の木。そんな、本来ならガッカリするはずの記念撮影を、とても楽しい大切な想い出と感じてくださった。しかもそれが私の頑張りによってのものだと仰っていただけたのですから、こんなに嬉しいことはありません。
どんな場所であっても、どんな状況であっても、一生懸命頑張ることの大切さを改めて心に刻みつけました。
なぜならきっとお客様は、私の頑張る姿に感動してくださったのですから。私の頑張る姿が数年前の奈良県での撮影を想起させたことで、お客様はここ滋賀県での記念撮影をもひとつなぎの想い出にしてくださったはずです。だからこそ私に、あんなに嬉しそうにお声かけくださったのでしょう。
お客様のために懸命に撮影を行うということ、それ自体がお客様に想い出を創ることもあるのだと気づきました。これからもお客様に大切な想い出をお持ち帰りいただけるよう精一杯頑張って営業していきます。

それは週末のお昼ごろだったでしょうか。天気も良く、たくさんのお客様にご参加いただいておりました。
目の回るような忙しさでしたが、私は少しでも良い写真が撮影できるように、そしてお客様に少しでも楽しんでいただけるように、大きな声で、笑顔で、ハイテンションで営業していました。
そんな私の姿を、遠くからじっと見ているお客様がいらっしゃいました。60代くらいの白髪の男性です。彼は少しの間私の仕事ぶりを眺めていたようでしたが、やがて私の元へ駆け寄ってこられました。
「君! 君!」
白髪の男性が私に声をかけました。
私はお客様に体を向け「どうしましたか?」と尋ねます。
「あの時の君だよね! 覚えてるかな? 奈良県で、数年前に桜と一緒に撮ってくれたじゃない。桜は咲いていなかったけどね(笑)。あの時はきれいに撮ってくれてありがとうね。今日もすごく頑張って撮影していたから、君だってすぐに気づいたよ!」
お客様の話を聞いて、私はすぐにピンときました。数年前、私は奈良県の桜の名所でアミーゴとして働いていましたが、その時に撮影させていただいたお客様だったのです。
私のことを覚えていてくださったことが嬉しくて、思わずお客様と握手してしまうほどでした。
お客様は懐かしそうに続けます。
「あの時は花見のツアーで遊びに行ったんだが、現地に着いたらちっとも咲いてないんだもんなぁ、桜の名所だっていうのにね、まいったよ(笑)」
私も思い出しました。お客様の仰る通り、その現場はまだ桜が咲いていない時期からスタートしたため、つぼみばかりの桜の木を背景に撮影した期間がありました。咲いていない桜にガッカリするお客様も多い中、私たちスタッフはそんな状況でも少しでも良い写真を撮りたいと、明るく元気にハイテンションに、お客様の笑顔を引き出そうと一生懸命頑張ったものでした。
お客様はそのことも覚えていてくださいました。
「桜は咲いてなかったけどね、君がそれでも精一杯頑張って撮影してくれたから、私にとってはとても楽しい、大切な想い出になったんだよ。ありがとう。今日の撮影もお兄さんにお願いしたいんだけど、いいかな?」
「もちろんです!」
その後、お城を背景にしての記念撮影にご参加いただきました。写真もご購入いただき、「今回もありがとう」と笑顔でお帰りいただくことができました。

私の内心は感動で溢れていました。
こんなに嬉しいことはありません。数年前に一度会っただけのお客様が私の頑張る姿を見て、すぐに私だと気づいてくださったこと。
何より、桜の咲いていない桜の名所、花をつけていない桜の木。そんな、本来ならガッカリするはずの記念撮影を、とても楽しい大切な想い出と感じてくださった。しかもそれが私の頑張りによってのものだと仰っていただけたのですから、こんなに嬉しいことはありません。
どんな場所であっても、どんな状況であっても、一生懸命頑張ることの大切さを改めて心に刻みつけました。
なぜならきっとお客様は、私の頑張る姿に感動してくださったのですから。私の頑張る姿が数年前の奈良県での撮影を想起させたことで、お客様はここ滋賀県での記念撮影をもひとつなぎの想い出にしてくださったはずです。だからこそ私に、あんなに嬉しそうにお声かけくださったのでしょう。
お客様のために懸命に撮影を行うということ、それ自体がお客様に想い出を創ることもあるのだと気づきました。これからもお客様に大切な想い出をお持ち帰りいただけるよう精一杯頑張って営業していきます。
2021年01月25日
Amigo Go! 白川郷便り Vol.71
皆様、おはようございます
自粛中でありますが
白川郷よりお便りです
本日快晴となっております
これから、このような日が多々あります
緊急事態が解除されましたら ゼヒ おいでください
お気に入りな場所から パシャ

良い構図ではありませんが 車中からなので
ご了承下さいね

自粛中でありますが
白川郷よりお便りです
本日快晴となっております
これから、このような日が多々あります
緊急事態が解除されましたら ゼヒ おいでください
お気に入りな場所から パシャ
良い構図ではありませんが 車中からなので
ご了承下さいね
Posted by
文教スタヂオ
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09:55
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2021年01月12日
こっちむいて!お願い!【想い出アミーゴインサイドストーリー㉙】
私は関東地方の神社にある撮影現場でアミーゴをしています。
この日は可愛い愛犬を連れたご家族がいらっしゃいました。
私がお声かけする前に「一枚撮って欲しいんですけど」と、お客様の方から撮影のお申込みをいただきました。
40代くらいのご両親と中学生のお嬢様。愛犬はコーギーの男の子。
皆さまにはさっそく所定の位置に立っていただきました。ワンちゃんが日付の看板に隠れてしまうので、お嬢様に抱っこしてもらいます。

いよいよ撮影開始。
ペット連れのお客様を撮影するにあたり、私たちにはやり遂げたい目標があります。それは「ペットを含めた全員の目線をおさえること」。
神社ですので自然界の音ではない鳴り物の使用は禁止されています。ペット用のアイテムが使えないのでなかなか難易度は高いですが、これまでもアミーゴの情熱でなんとかしてきました。
さぁ、私とワンちゃんとの戦いが始まります。
「ワンちゃん以外の皆様はずっとカメラ目線でお願いしますね。それでは目線を取りたいので、愛犬のお名前を教えてもらえますか?」
「きなこです」
「きなこッ! きーなーこッ! 見て! きなこ! 見るのッ! こっち!」
名前を呼んでもワンちゃんは知らんぷり。
手をパンパンと打ち鳴らしても、得意の口笛をピィピィ鳴らしてみても、ワンちゃんは振り向きません。なかなかの頑固者か、それとも…。
(音に興味がないのかも?)
私は急いでワンちゃんに近づき、目の前に黄色い人形を出して上下左右に振ってみました。つぶらな瞳が人形を捉えます。きなこが首をもたげました。
すぐさま私は人形を頭上高く振り回しながらカメラの位置まで全速力で戻ります。きなこォ!きなこォ!と叫びながらカメラの前に到達、急いでご家族の方へ向き直りました。
目線がきてる! みんな笑顔! いまだ!
パシャッ!
ご家族に写真をご覧いただきます。
「ワンちゃんもばっちりカメラ目線ですね!」
私のキメ台詞に「おぉ~」とご家族から歓声が上がりました。
「さすが! 口コミ通り!」と奥様。
「え? 口コミ?」
きょとんとする私に、奥様は教えてくださいました。
それは旅行の行き先をネットで下調べしていた時のこと、次のような書き込みを見つけたそうです。
「この神社では、ワンちゃんとの写真をとても上手に撮ってもらえますよ」
この口コミを見た時、ご家族はちょうど愛犬を連れてのご旅行を考えていたところでした。せっかくならこの神社に寄り道してみんなで撮影してもらおう!という話になり、わざわざ足をお運びいただいたというのです。
ご家族は写真を大変喜んでくださいました。
私はお帰りになるご家族の後ろ姿を見送りながら、まさかネットにそんな口コミがされていたなんてと驚くと同時に、どこか誇らしい気持ちになりました。

ペットに振り向いてもらうアイテムはいろいろあります。それらを使えない現場だとしても、諦めずに絶対に振り向かせたい。やれることは全力で頑張りたい。そんな情熱がお客様に伝わり、こんなに嬉しい口コミをいただけたのかもしれません。
「なぜそんなにも目線にこだわるのか」と聞かれたことがあります。
それはまず、表情をしっかり捉えられること。横を向いていたのではせっかくの良い表情も半分しか写りません。
そして、目は口ほどにものを言います。視線をカメラに向けることでその時の感情を、想いを、意思を、その眼差しが表現してくれます。写真を見返した時に家族全員の表情が見える、強い結束を感じられる、家族であることをより実感できる、それがカメラ目線だと思うからです。ペットのワンちゃんも人間と同じ家族の一員、だからこそ誰一人欠かさない、家族全員のカメラ目線にこだわりたい。
毎回必ず目線が取れるというわけではありませんが、成功率は高いです。これからも時間の許す限り全力で、目線取りに立ち向かおうと思ったエピソードでした。
この日は可愛い愛犬を連れたご家族がいらっしゃいました。
私がお声かけする前に「一枚撮って欲しいんですけど」と、お客様の方から撮影のお申込みをいただきました。
40代くらいのご両親と中学生のお嬢様。愛犬はコーギーの男の子。
皆さまにはさっそく所定の位置に立っていただきました。ワンちゃんが日付の看板に隠れてしまうので、お嬢様に抱っこしてもらいます。

いよいよ撮影開始。
ペット連れのお客様を撮影するにあたり、私たちにはやり遂げたい目標があります。それは「ペットを含めた全員の目線をおさえること」。
神社ですので自然界の音ではない鳴り物の使用は禁止されています。ペット用のアイテムが使えないのでなかなか難易度は高いですが、これまでもアミーゴの情熱でなんとかしてきました。
さぁ、私とワンちゃんとの戦いが始まります。
「ワンちゃん以外の皆様はずっとカメラ目線でお願いしますね。それでは目線を取りたいので、愛犬のお名前を教えてもらえますか?」
「きなこです」
「きなこッ! きーなーこッ! 見て! きなこ! 見るのッ! こっち!」
名前を呼んでもワンちゃんは知らんぷり。
手をパンパンと打ち鳴らしても、得意の口笛をピィピィ鳴らしてみても、ワンちゃんは振り向きません。なかなかの頑固者か、それとも…。
(音に興味がないのかも?)
私は急いでワンちゃんに近づき、目の前に黄色い人形を出して上下左右に振ってみました。つぶらな瞳が人形を捉えます。きなこが首をもたげました。
すぐさま私は人形を頭上高く振り回しながらカメラの位置まで全速力で戻ります。きなこォ!きなこォ!と叫びながらカメラの前に到達、急いでご家族の方へ向き直りました。
目線がきてる! みんな笑顔! いまだ!
パシャッ!
ご家族に写真をご覧いただきます。
「ワンちゃんもばっちりカメラ目線ですね!」
私のキメ台詞に「おぉ~」とご家族から歓声が上がりました。
「さすが! 口コミ通り!」と奥様。
「え? 口コミ?」
きょとんとする私に、奥様は教えてくださいました。
それは旅行の行き先をネットで下調べしていた時のこと、次のような書き込みを見つけたそうです。
「この神社では、ワンちゃんとの写真をとても上手に撮ってもらえますよ」
この口コミを見た時、ご家族はちょうど愛犬を連れてのご旅行を考えていたところでした。せっかくならこの神社に寄り道してみんなで撮影してもらおう!という話になり、わざわざ足をお運びいただいたというのです。
ご家族は写真を大変喜んでくださいました。
私はお帰りになるご家族の後ろ姿を見送りながら、まさかネットにそんな口コミがされていたなんてと驚くと同時に、どこか誇らしい気持ちになりました。

ペットに振り向いてもらうアイテムはいろいろあります。それらを使えない現場だとしても、諦めずに絶対に振り向かせたい。やれることは全力で頑張りたい。そんな情熱がお客様に伝わり、こんなに嬉しい口コミをいただけたのかもしれません。
「なぜそんなにも目線にこだわるのか」と聞かれたことがあります。
それはまず、表情をしっかり捉えられること。横を向いていたのではせっかくの良い表情も半分しか写りません。
そして、目は口ほどにものを言います。視線をカメラに向けることでその時の感情を、想いを、意思を、その眼差しが表現してくれます。写真を見返した時に家族全員の表情が見える、強い結束を感じられる、家族であることをより実感できる、それがカメラ目線だと思うからです。ペットのワンちゃんも人間と同じ家族の一員、だからこそ誰一人欠かさない、家族全員のカメラ目線にこだわりたい。
毎回必ず目線が取れるというわけではありませんが、成功率は高いです。これからも時間の許す限り全力で、目線取りに立ち向かおうと思ったエピソードでした。
2021年01月09日
「来てよかった」と言ってほしい【想い出アミーゴインサイドストーリー㉘】
栃木県の、とある神社。人通りのまばらな時間帯。

茶色くなった杉の葉が舞う参道を、70代くらいのご夫妻がゆっくり歩いてこられました。
「記念撮影サービスです。よかったら撮っていかれませんか?」
「前に来たことあるから、いらないよ」
私が声をかけると、旦那様が手を左右に振りました。
「そうですか… でも数年前に建物の改修が終わって、とてもキレイになったんですよ。 前に来た時はいかがでした? 背景にも綺麗に写りますので、いい記念になりますよ」
ご夫婦はしばらくその建物を眺めていましたが、奥様が口を開きました。
「じゃあ撮りましょうか。これでも一応は旅行ですものね」
「一応は」という奥様の言葉を聞いて「?」が頭に浮かびましたが質問はせず、お二人には撮影場所まで進んでいただきました。ご夫婦が並ぶと、奥様の帽子に杉の葉がついているのに気づきました。
「失礼します、杉の葉が帽子に。お取りしますね」
「あら、ありがとう」
「旦那様には、もう少し左に寄っていただいて… ありがとうございます、お手持ちのペットボトルもお預かりしますね。あ、日付看板が少しずれてしまったので、ちょっと前を失礼します。フラッシュが反射するかもしれないのでメガネはお取りいただくか、少し顎を引いていただくと…」
「あなた、そんなに丁寧にやってもらわなくていいのよ、ここには前にも来た事あるんだから」
奥様の言葉に、私はニコッと笑顔を返しました。
カメラのある位置まで走り、ご夫婦に向き直ります。あとはシャッターを切るだけ。
「お時間とらせてすみません! でも…」
私はレンズの辺りで左手を広げながら、シャッターボタンを半押ししました。
「お二人がとっても素敵でしたので、より一層素敵に写っていただかないと、私の気が済まないんです」
そこで奥様は、今日初めての笑顔を見せてくださいました。
「ハーイ」
パシャッ!

写真が仕上がり、ご夫妻に見ていただきます。
お二人は写真の出来を大変喜んでくださいました。特に奥様は今にも泣きだしそうなほど感動してくださって、次のようなお話を聞かせてくれました。
実は、もともとは栃木でなく別の場所に行く予定だったそうです。奥様は遠出するのを楽しみにしていましたが、新型コロナウイルスの影響で行き先を変更。近場で済ませることにしました。
奥様は旅行中、どうしても行きたかった前の行き先が頭にちらついてしまい、この旅行を心から楽しめずにいたのだとか。「一応の旅行」と皮肉を仰っていたのも、そういう理由からだったようです。
「この旅行中に私が笑顔になれるなんて思ってもみなかった。あなたに撮ってもらえたおかげ。こんなに丁寧に撮ってくださって… あなたに出会えたことだけでもこの旅行には価値がある。来年も来るわ。その時はまたあなたが撮ってちょうだいね」
微笑みながら帰っていくお二人を見送りながら、私は幸せを噛みしめていました。私の携わるこの仕事はなんて素晴らしいのだろうと、改めて感じていました。
コロナが蔓延する世の中、行きたい場所にも行けずに、悲しい思いをしている人たちがいます。今日のご夫妻もそう、我慢して、妥協して、ご自宅から近い場所での息抜きに留めています。
そんな方たちのお力になれるこの仕事に、私はやりがいを感じます。
カメラの前のほんのわずかな瞬間でも笑顔になっていただきたい。その素敵な瞬間を切り取って、お客様には「来て良かったね」と幸せな気持ちで想い出を持ち帰っていただきたい。
感染症によって制限されてしまった旅行の楽しみを、今までにない素敵な価値ある想い出としてお持ち帰りいただくこと。それは、この仕事に携わる私だからできる、私らしいコロナウイルスとの闘い方だと思うのです。
これからも一人でも多くのお客様に素敵な想い出をお持ち帰りいただけるよう、一枚一枚丁寧にシャッターを切っていこうと心に誓いました。

茶色くなった杉の葉が舞う参道を、70代くらいのご夫妻がゆっくり歩いてこられました。
「記念撮影サービスです。よかったら撮っていかれませんか?」
「前に来たことあるから、いらないよ」
私が声をかけると、旦那様が手を左右に振りました。
「そうですか… でも数年前に建物の改修が終わって、とてもキレイになったんですよ。 前に来た時はいかがでした? 背景にも綺麗に写りますので、いい記念になりますよ」
ご夫婦はしばらくその建物を眺めていましたが、奥様が口を開きました。
「じゃあ撮りましょうか。これでも一応は旅行ですものね」
「一応は」という奥様の言葉を聞いて「?」が頭に浮かびましたが質問はせず、お二人には撮影場所まで進んでいただきました。ご夫婦が並ぶと、奥様の帽子に杉の葉がついているのに気づきました。
「失礼します、杉の葉が帽子に。お取りしますね」
「あら、ありがとう」
「旦那様には、もう少し左に寄っていただいて… ありがとうございます、お手持ちのペットボトルもお預かりしますね。あ、日付看板が少しずれてしまったので、ちょっと前を失礼します。フラッシュが反射するかもしれないのでメガネはお取りいただくか、少し顎を引いていただくと…」
「あなた、そんなに丁寧にやってもらわなくていいのよ、ここには前にも来た事あるんだから」
奥様の言葉に、私はニコッと笑顔を返しました。
カメラのある位置まで走り、ご夫婦に向き直ります。あとはシャッターを切るだけ。
「お時間とらせてすみません! でも…」
私はレンズの辺りで左手を広げながら、シャッターボタンを半押ししました。
「お二人がとっても素敵でしたので、より一層素敵に写っていただかないと、私の気が済まないんです」
そこで奥様は、今日初めての笑顔を見せてくださいました。
「ハーイ」
パシャッ!

写真が仕上がり、ご夫妻に見ていただきます。
お二人は写真の出来を大変喜んでくださいました。特に奥様は今にも泣きだしそうなほど感動してくださって、次のようなお話を聞かせてくれました。
実は、もともとは栃木でなく別の場所に行く予定だったそうです。奥様は遠出するのを楽しみにしていましたが、新型コロナウイルスの影響で行き先を変更。近場で済ませることにしました。
奥様は旅行中、どうしても行きたかった前の行き先が頭にちらついてしまい、この旅行を心から楽しめずにいたのだとか。「一応の旅行」と皮肉を仰っていたのも、そういう理由からだったようです。
「この旅行中に私が笑顔になれるなんて思ってもみなかった。あなたに撮ってもらえたおかげ。こんなに丁寧に撮ってくださって… あなたに出会えたことだけでもこの旅行には価値がある。来年も来るわ。その時はまたあなたが撮ってちょうだいね」
微笑みながら帰っていくお二人を見送りながら、私は幸せを噛みしめていました。私の携わるこの仕事はなんて素晴らしいのだろうと、改めて感じていました。
コロナが蔓延する世の中、行きたい場所にも行けずに、悲しい思いをしている人たちがいます。今日のご夫妻もそう、我慢して、妥協して、ご自宅から近い場所での息抜きに留めています。
そんな方たちのお力になれるこの仕事に、私はやりがいを感じます。
カメラの前のほんのわずかな瞬間でも笑顔になっていただきたい。その素敵な瞬間を切り取って、お客様には「来て良かったね」と幸せな気持ちで想い出を持ち帰っていただきたい。
感染症によって制限されてしまった旅行の楽しみを、今までにない素敵な価値ある想い出としてお持ち帰りいただくこと。それは、この仕事に携わる私だからできる、私らしいコロナウイルスとの闘い方だと思うのです。
これからも一人でも多くのお客様に素敵な想い出をお持ち帰りいただけるよう、一枚一枚丁寧にシャッターを切っていこうと心に誓いました。
2021年01月04日
Amigo Go! 白川郷便り Vol.70
こんにちは、白川郷チームです!
2021年となりました
皆さま正月はいかがお過ごしでしょうか。
2021年も白川郷チームは元気に活動していきます

年明けに大雪が降り、これぞ白川郷!という景色になってきました!
ここ2日ほど、晴れた日の雪景色が見られて最高の眺めです
また訪れるお客様の幅も広がり、日本に住む海外出身の方がいらっしゃるようになってから、さらに賑わいをみせております。
今年は皆さま気兼ねなく旅行できる年になってほしいです
アミーゴ白川郷チーム
木下
2021年となりました
皆さま正月はいかがお過ごしでしょうか。
2021年も白川郷チームは元気に活動していきます


年明けに大雪が降り、これぞ白川郷!という景色になってきました!
ここ2日ほど、晴れた日の雪景色が見られて最高の眺めです

また訪れるお客様の幅も広がり、日本に住む海外出身の方がいらっしゃるようになってから、さらに賑わいをみせております。
今年は皆さま気兼ねなく旅行できる年になってほしいです

アミーゴ白川郷チーム
木下